2015年6月12日金曜日

結露の発生について

前回の続きです。

建物に結露が発生してしまうのは、
材料にはそれぞれ「熱の伝えやすさ(熱伝導率)」「湿気の伝えやすさ(透湿率)」があります。




材料Aは熱抵抗が大きいので、熱の移動は抑えられる。
しかし、材料Bは透湿抵抗が小さいため湿気の移動は抑えられずに大量に移動してしまう。
これにより、水蒸気量が飽和水蒸気量を越えてしまい結露が発生する。

これが壁内結露の原理です。



飽和水蒸気量とは・・・
空気の温度で含むことができる水蒸気の量の限度。
温度によってこの量は決まっています。※表参照


気温が30度の場合、空気中に含むことができる水蒸気量が30.4(g/㎥)で、湿度が60%だった場合。
30.4の60%なので、30.4*0.6=18.24(g/㎥)空気中に含まれていることになります。

ここで、気温が25℃、20℃と下がっていった場合を見てみましょう。

25℃の飽和水蒸気量・・・23.1g
20℃の飽和水蒸気量・・・17.3g

気温が25℃だと、空気中に水蒸気は保有できますが、20℃になってしまうと17.3gまでしか保有できないので、18.24-17.3=0.94gの水蒸気が水として現れます。

これが家の窓などで発生する結露の原理です。
イメージではガラスコップに氷水を入れて暑い部屋に置いておくと、コップの表面に水滴が大量に付く症状と一緒ですね。


結露についてまとめると、

熱(温度)の移動とともに、水蒸気の移動量(圧力)が関係するので、
構成する材料の断熱性能と透湿性のバランスを検討する事が大事です。

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