2014年5月24日土曜日

セルロースファイバーのあれこれ・・・4

セルロースファイバーの『防火・耐火性』について、まずはこちらをご覧ください。



グラスウール(左)、セルロースファイバー(中央)、断熱材無し(右)3棟の火災実験。
カナダの第三者機関監視の下、火災実験が行われた実験動画です。

・断熱材無し       40分後     一番早く崩壊。
・グラスウール      42分30秒後  崩壊。
・セルロースファイバー 67分後     崩壊。

ここまで燃えてしまっては、どの断熱材も変わりはないかもしれませんが、もしも周りの家への影響などを考えると・・・この結果はとても重要だと思います。

ここまで耐火性を持つセルロースファイバーの秘密は「ホウ酸」にあります。
ホウ酸はセルロースファイバーの中に添付されていて、自己消化作用があるからなのです。

ホウ酸は炭化を促進し、燃焼している物体からの可燃ガスの発生をおさえ、
化学的に結合している水の放出作用も働き、炎燃焼をおさえます。

燃えたホウ酸は炭化物の周囲に保護膜をつくり、空気酸化を抑えます。
ホウ酸がくすぶり燃焼を阻止するのはこれが理由です。


実際に、ガスバーナーで直接加熱(1,000℃)しても、表面が炭化するのみで燃えません。
表面が焦げて炭化することによって燃焼に必要な酸素の供給を止めて、燃えるのを防止しています。

不燃材であるウレタン系の断熱材も同様に、ガスバーナーで直接加熱(1,000℃)すると、
燃焼はしませんが、どんどん溶けてしまい裏の合板に火が着いてしまいます。
セルロースファイバーは自然素材のみ材料ですので、白い煙が少し出ますが、まっ黒い煙の有毒ガスの発生もありません。

万が一の火災の発生にも延焼を防ぎますので、命の助かる確率は高くなりますね!


次回は『防虫性・防カビ性』について書いていきます。

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